「1施設1営業許可」が原則となる中、複数の製品を製造するために異なる許可を受けたいと考える企業が増えています。特に、食肉製造業では、加熱食肉製品と非加熱食肉製品のように、製品の種類に応じて製造ラインが異なることがあります。この記事では、1施設で複数の営業許可を取得する方法や、共同申請について解説し、申請が却下された場合の対処方法についても触れます。
1施設1営業許可の基本原則とその背景
「1施設1営業許可」は、食品衛生法改正(令和3年)により、基本的な方針として定められました。この改正の背景には、製造環境や衛生管理の統一性を保つため、施設ごとに一つの営業許可を与えることが必要であるという考え方があります。
この改正により、同一の施設で複数の営業許可を取得することが難しくなり、特に食肉製造業などの製品が異なる場合でも、「1施設1営業許可」の原則が適用されます。
「加熱食肉製品」と「非加熱食肉製品」の区別による営業許可申請
仮に、加熱食肉製品と非加熱食肉製品を同じ施設で製造する場合、それぞれに異なる製造管理や衛生基準が求められます。このため、製品ごとに異なる許可を取得したいというニーズが発生しますが、現行の規定では、1施設に対して複数の営業許可を取得することは原則として認められていません。
例えば、A社で加熱食肉製品を製造し、B社で非加熱食肉製品を製造するという考え方があるものの、令和3年の改正法に基づいて、重複した許可は取得できません。これにより、申請が却下される場合があることに留意する必要があります。
「共同申請」としての対応は可能か
一つの施設で異なる製品を製造したい場合、「共同申請」という方法も検討されますが、現行の食品衛生法においては、施設ごとの営業許可が求められるため、共同申請で許可を取得することは難しいとされています。
ただし、製造の管理方法や製品ごとの衛生基準に差異がない場合、あるいは同一施設内での製品ごとの区分管理が十分に行われている場合に限り、管理を一元化する形で特別な申請が認められる可能性もあります。こうした特例を適用するためには、管轄の保健所と十分に協議を行うことが重要です。
工場移転後の許可の継承について
工場の移転に伴い、同じ管轄内で「許可の継承」という形で新たな営業許可を申請することが可能かについてですが、基本的には移転先の施設に対して新たに許可を取得する必要があります。
移転先の施設が同じ保健所の管轄であり、施設の衛生管理や設備が変更されない場合でも、新たに申請を行い、施設の条件に合った許可を取得することが求められます。ただし、特定の状況下では、許可の継承が認められる場合もあるため、保健所に確認しながら進めることが推奨されます。
行政処分と共同の対応
施設で出された行政処分がA社およびB社両方に対して適用される場合、両社は共同で対応する必要があります。施設としての管理が重要であるため、どちらの社も施設内の衛生管理や品質保持に関して責任を共有することが前提となります。
行政処分が出た場合には、処分内容に従い、両社が共同で対応し、再発防止策を講じる必要があります。これにより、施設全体の衛生管理が適正に行われ、継続的な運営が可能となります。
まとめ
「1施設1営業許可」の原則により、同一施設で複数の営業許可を取得することは現行の法律では難しいですが、製品ごとに異なる製造方法や管理が必要な場合は、十分に管轄の保健所と協議し、特例措置を検討することが重要です。また、共同申請や許可の継承についても、保健所の判断を仰ぐことが必要です。施設の移転や許可申請に関しては、慎重に計画を立て、行政との連携を密にすることが求められます。