物価高やコメ不足の影響もあり、従業員の生活支援として“お米の配布”を検討する企業が増えています。
特に中小企業では「福利厚生費として処理できるのか?」「従業員にとって課税されるのか?」という点が気になるところです。
この記事では、会社が従業員にお米を支給する場合に福利厚生費として認められる条件と、所得税・社会保険の課税関係について、具体例を交えて解説します。
福利厚生費として認められるための基本的な条件
福利厚生費として非課税で処理するには、「全従業員に公平・一律」であることが基本条件です。
さらに、業務の対価(給与)ではなく、生活支援や慰労の一環としての性格である必要があります。
国税庁が定める要件に沿うと、以下の条件を満たすことで福利厚生費として損金算入が可能となり、かつ従業員への課税を回避できます。
- ・従業員全体または特定の合理的なグループに一律で支給されている
- ・支給目的が福利厚生(慰労、健康保持など)である
- ・支給の頻度や内容が常識の範囲内である
今回のケース:非課税の福利厚生とみなされるか?
今回のようなケースでは、以下の点が大きな判断材料になります。
条件 | 内容 | 評価 |
---|---|---|
① 全員に一律配布 | 正社員・パート等問わず5kg | ◯ 妥当 |
② 現物支給 | 会社が手配・従業員が持ち帰る | ◯ 問題なし |
③ 希望者のみ | 希望しない人への代替なし | △ 若干注意 |
④ 受取期間の設定 | 期間中に取りに来ないと対象外 | ◯ 問題なし |
総合的には、課税対象とはならず、福利厚生費として処理できる可能性が高いと考えられます。
ただし、「希望制」で配布する場合は“給与性”とみなされる可能性もゼロではないため、できるだけ全員に配布する前提で実施することが推奨されます。
食費補助と現物支給の違いに注意
「食費補助」にあたると、一定割合(半額など)を従業員が自己負担しないと課税対象になります。
しかし、現物(お米)を全額会社負担で支給し、回数や金額が常識の範囲内であれば、給与課税されないケースが多く見られます。
そのため、今回のように「1回限り」「5kg程度」であれば、食費補助ではなく福利厚生の一環としての扱いで十分説明可能です。
税務署対策として記録を残しておくと安心
念のため、福利厚生目的であることを示す書類や記録を残しておくと安心です。
たとえば。
- ・社内掲示のコピー(全員に周知した証拠)
- ・配布リスト(受け取った人数・配布日)
- ・購入伝票や請求書
税務調査で確認される可能性があるため、「全員に公平であった」「業務対価ではない」ことを明確にしておきましょう。
まとめ:米の支給は非課税の福利厚生として認められる可能性大
従業員にお米を配る取り組みは、一定の条件を満たせば福利厚生費として計上可能であり、従業員の給与所得にもなりません。
今回のように「一律5kg」「会社全額負担」「現物支給」という内容であれば、課税されるリスクは低いと考えられます。
万全を期すなら、税理士と相談しながら進めることがベストです。従業員に喜ばれる制度として、ぜひ前向きに導入を検討してみてください。