倒産防止共済を解約した際の仕訳と税務処理のポイント

会計、経理、財務

中小企業が経営のリスクヘッジとして活用する倒産防止共済(経営セーフティ共済)。積み立ててきた掛金を解約すると、原則として全額が戻ります。このときの会計処理や税務処理について、仕訳の具体例や法人税申告書の別表記載まで詳しく解説します。

倒産防止共済とは何か

倒産防止共済は、取引先が倒産した際の連鎖倒産を防ぐ目的で設けられており、加入企業が月額5,000円〜200,000円までを掛金として支払います。掛金は損金算入できるため、節税効果もある制度です。

また、解約時には積立額(掛金累計)全額が返戻されますが、これが収益扱いになる点に注意が必要です。

解約時の基本的な仕訳例

今まで掛金を「長期前払費用」で処理していた場合、解約返戻金を受け取った際の仕訳は以下のようになります。

借方 貸方
普通預金(返戻額) 長期前払費用(積立額)
営業外収益(または特別利益)

営業外収益とするか特別利益とするかは会社の会計方針によりますが、継続適用が求められます。

収益としての処理とその影響

共済解約金は法人税法上は益金に該当するため、課税対象となります。これまで損金算入していた分が帳簿上収益となるため、所得が増え、課税所得が増加することになります。

特に、年度末に解約すると利益が大きく跳ね上がることがあるため、タイミングの選定も重要です。

別表4・別表5での申告処理

倒産防止共済の返戻金については、以下の申告書別表に記載が必要になります。

  • 別表4:共済掛金を損金算入していたため、解約返戻金は「益金算入」として記載します。
  • 別表5(1):利益積立金額の増加欄に対応した金額を反映。
  • 別表5(2):長期前払費用の減少処理を記載する必要があります。

それぞれの金額は、返戻金の全額と一致するように調整します。

仕訳例:金額ありのシミュレーション

例えば、掛金累計120万円、全額返戻された場合。

借方 金額 貸方 金額
普通預金 1,200,000 長期前払費用 1,200,000
営業外収益または特別利益 1,200,000

返戻金はすべて益金算入となり、税務上の調整が必要です。

まとめ:倒産防止共済の解約時は慎重な処理を

倒産防止共済の解約時には、以下の点に注意しましょう。

  • 仕訳では長期前払費用の取り崩し+営業外収益または特別利益で処理
  • 返戻金は益金算入されるため法人税課税対象になる
  • 別表4・5への記載が必須

税理士がいない場合でも、正しい会計処理と税務申告ができるよう、実務に即した処理を心がけましょう。

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