近年、運送業界では人手不足や労働環境の改善を目的として、賃金の引き上げが注目されています。2025年における賃上げの動向について、具体的なデータや事例を交えて解説します。
運輸労連の2025年春闘における賃上げ要求と妥結状況
運輸労連（運輸労働組合総連合会）は、2025年の春闘において、賃上げ要求額を1万5,500円と設定しました。これは前年から500円増加した額で、率にして6%の引き上げを目指すものです。実際の妥結状況を見ると、トラック大手12組合のうち、7組合が賃上げで妥結し、6組合が夏季一時金で妥結しました。賃上げの単純平均は1万1,130円となり、前年実績の8,692円を大きく上回りました。例えば、全日通では1万1,000円（前年比2,550円増）、ヤマト運輸では1万5,500円（6,725円増）で妥結しています。 :contentReference[oaicite:0]{index=0}
賃上げを予定する企業の割合とその理由
帝国データバンクの調査によると、2025年度に正社員の賃金改善（ベースアップや賞与、一時金の引き上げ）を「ある」と見込む企業は61.9%に達し、調査開始以来初めて6割を超えました。特に運輸・倉庫業界では、その割合が65.0%となり、前年よりも高まっています。賃上げを実施する主な理由として、「労働力の定着・確保」が74.9%と最も多く挙げられています。 :contentReference[oaicite:1]{index=1}
運輸業界における賃上げの具体的な数値
運輸労連系のトラック大手12組合のうち、2025年3月14日までに7組合が賃上げで妥結しました。これらの組合の賃上げの単純平均は1万1,130円となり、前年実績の8,692円を大きく上回りました。例えば、全日通では1万1,000円（前年比2,550円増）、ヤマト運輸では1万5,500円（6,725円増）で妥結しています。 :contentReference[oaicite:2]{index=2}
賃上げに向けた政府の取り組み
政府も物流業界の賃上げに向けた取り組みを進めています。2025年3月17日の予算委員会では、参議院議員の田村まみ氏がトラック運送など物流業界の賃上げに向けた取り組みを要請しました。 :contentReference[oaicite:3]{index=3}
まとめ
2025年における運送業界の賃金動向は、人手不足や労働環境の改善を背景に、賃上げの動きが顕著になっています。運輸労連の積極的な賃上げ要求や、多くの企業が賃金改善を予定していることから、今後もこの傾向は続くと考えられます。運送業界で働く皆さんにとって、賃金アップの機運が高まっていることは、明るい兆しと言えるでしょう。
