派遣社員として働いていると、契約終了時の退職理由が「会社都合」になるのか「自己都合」になるのかは、失業保険の受給において非常に重要なポイントです。特に、契約満了や希望外の派遣先を断った場合などは判断が難しいケースもあります。本記事では、派遣社員の契約終了と失業保険の関係について、実例を交えて解説していきます。
派遣社員の契約満了は原則「会社都合」扱いになる?
派遣社員の契約が更新されずに終了する場合、その原因が労働者側による「更新拒否」でなければ、基本的には「会社都合」扱いになります。特に以下のような状況は「会社都合」とみなされやすいです。
- 派遣先の都合で契約更新されなかった
- 業務縮小やプロジェクト終了による契約終了
- 更新の打診もなく一方的な契約終了
今回のようにプロジェクト終了による契約打ち切りであり、本人から更新を断っていない場合、会社都合となる可能性が高いです。
希望外の派遣先を断ると「自己都合」になるのか?
派遣元から新たな就業先を紹介されても、それが希望と著しく異なる場合、その紹介を断ったからといって必ずしも自己都合になるとは限りません。
例えば以下のような場合は、断っても不利になりにくいとされています。
- 勤務地が著しく遠い
- 職種や待遇がこれまでと大きく異なる
- 希望していた条件とかけ離れている
つまり、「希望外案件を断った=自己都合」とはならず、紹介内容や断った理由次第で失業認定の判断が分かれます。
実際に失業保険を申請する流れと注意点
契約終了後に失業保険の手続きを進めるには、以下のようなステップが必要です。
- 離職票の内容を確認する(「離職理由」欄に注目)
- ハローワークで求職申込・失業認定の手続き
- 雇用保険説明会の参加と受給資格の決定
もし離職票に「自己都合退職(自己申出)」と記載されていて、納得がいかない場合は、ハローワークで事情を説明して異議申し立てができます。契約終了の経緯を説明するために、派遣元とのやりとり(メールや通知)の記録があると有利になります。
会社都合と自己都合の違いがもたらす影響
退職理由によって失業給付の受給条件は大きく変わります。以下にその違いをまとめました。
項目 | 会社都合退職 | 自己都合退職 |
---|---|---|
給付制限期間 | なし(即受給) | 約2ヶ月の給付制限あり |
給付日数 | 自己都合より長くなる場合あり | 最短90日 |
再就職手当 | 受給チャンスが広がる | 一部制限あり |
このように、「会社都合退職」であれば給付のタイミングや金額の面でかなり有利になります。
まとめ:判断はハローワークで変わる場合もある
今回のような派遣契約終了においては、業務縮小やプロジェクト終了など会社都合が明確な場合、会社都合退職と認定される可能性が高いです。ただし、離職票に「自己都合」と記載されていたとしても、ハローワークで実情を説明すれば変更されるケースもあります。
重要なのは、証拠となるメールや会話の記録を残しておくこと。不安がある場合は、離職票が届いた時点で速やかにハローワークに相談することをおすすめします。